Etsyは、日本ではまだ知名度は低いですが、ハンドメイド製品を販売できる世界規模のマーケットプレイスです。Estyを利用すれば日本にいながら国内外にハンドメイド製品を販売することができます。
ここではEtsyとは何かや評判、日本からの出品方法についてまとめました。
Etsyとは
Etsy(エッツィー)とは、ハンドメイド製品やアート作品、ビンテージなどに特化した世界規模のマーケットプレイスです。2005年にアメリカでスタートしたEtsyは、クリエイティブな商品が集まるECモールとして知られており、世界各国の消費者に向けて販売することができます。誰でも気軽に出品できるため、ハンドメイド販売を開始したい初心者にも注目されています。
また、マーケットプレイスに商品を出品することで、自分の商品を既存のユーザーに見てもらえるというメリットがあります。すでにShopify上で自分のECサイトを持っている場合には、Marketplace Connectアプリをダウンロードし接続することで、自分の商品をEtsyなどさまざまなマーケットプレイスにも表示させることができます。
Etsyで販売できるもの
ハンドメイド商品
ハンドメイド商品とは、販売者が自分で制作またはデザインのどちらか、もしくはその両方を行った商品です。ハンドメイド商品を出品するには、商品の生産またはビジネスの運営に携わる人の情報を含めること、完成品の商品写真を使用することが条件とされています。
また、商品の生産をサポートする個人や企業などの委託生産パートナーと提携している場合には、パートナーに関する情報も商品情報に記載する必要があります。
ビンテージ商品
ビンテージ商品とは、作られてから20年以上経過している商品のことです。そのため、Etsyが商品の調達元や経過年数をどのように判定したかといった情報を求めることがあります。
クラフト素材
クラフト素材とは、製品を制作するために使用される材料やツールのことです。具体的には以下のような素材が当てはまります。
- ビーズ
- 塗料
- カット布
- パターン
- DIYキット
- クラフト用パーツ
また、風船や紙吹雪、ケーキの上に飾るケーキトッパーなどはパーティー用品としてクラフト素材のカテゴリーでの販売が可能です。
ただし、そのまま使用が可能なパーツや、小売用に生産された服・アクセサリーはクラフト素材として認められない商品です。
ダウンロード商品
ダウンロード商品とは、購入手続き完了後にダウンロードできる商品のことです。印刷用にデザインしたパーティー用ペーパーアイテムや履歴書のテンプレート、裁縫用の型紙などを指します。出品するには、ハンドメイド商品と同様に、自分でデザインや制作に携わった商品である必要があります。
ダウンロード商品には即時ダウンロード可能商品またはオーダーメイドの2種類があります。即時ダウンロード可能商品は、販売者が商品ファイルをアップロードしておき、購入完了と同時にダウンロードができるようになる商品です。出品できるファイル形式は、音声、画像、動画、テキスト形式などです。オーダーメイド商品の場合、注文が確定されると「未発送の注文」として表示されるため、商品ができあがったらアップロードし注文完了手続きを行います。
Etsyで販売できないもの
- アルコール、タバコ、薬物、薬物用の用具、医療用薬物
- 動物関連の商品および人骨、または遺体
- 有害物質、リコール対象商品、武器を含む危険な商品
- ヘイト(憎悪)を促進、助長または美化する商品を含むヘイト商品
- 違法な商品、違法な行為を促進する商品、厳重に規制された商品
- 国際的に規制されている商品
- ポルノグラフィおよび成人向けのコンテンツ
- 暴力を促進、助長、または美化する商品を含む暴力的な商品
Etsyの知的財産ポリシーに準拠しない商品やレンタル、レイキや呪術といった非物質的なサービス・商品も禁止されています。
Etsyの特徴
1.出品料
出品料とは、Etsyショップに商品を公開する際にかかる料金です。Etsyでは、商品をショップに追加しサイト上で閲覧できるようにすることを「出品する」と言いますが、商品が売れても売れなくても商品ごとに一律 $0.20米ドルの出品料がかかります。また、出品は4か月で期限切れとなるため、売れずに4か月が経過すると新たに$0.20米ドルの出品料が発生します。基本設定ではこの更新が自動で行われるため、更新を希望しない場合には忘れずに自動更新を利用しない設定を行いましょう。
2.取引手数料
取引手数料とは、商品が売れた場合に発生する手数料です。商品価格に送料とラッピング代を加算した合計金額の6.5%が取引手数料となります。この手数料は売り上げが発生するたびにかかります。
3.入金手数料
入金手数料とは、売上金を口座に入金する際に発生する手数料です。日本居住者の場合、販売合計価格の6%に加えて、1回の売り上げごとに$0.30米ドルが発生します。
消費者と直接やり取りができる
出品者から直接購入する仕組みを取っているため、消費者の質問や連絡に返信する、消費者の感想や意見が直接聞ける、また消費者に合わせたカスタマーサービスが行えるなどのメリットがあります。
日本国内外に向けて販売できる
Etsyは日本国内だけではなく、海外に向けて販売することができます。多言語、多通貨に対応しているので、出品者が翻訳や通貨設定を行う必要はありません。
Etsyに出品する方法
1.アカウントを作る
最初にデスクトップ版ウェブブラウザでEtsyのアカウントを作成します。ショップ開店の手順はデスクトップ版から完了させる必要がありますが、ショップ開店後はEtsyセラーアプリをダウンロードすればスマホやタブレットからもショップ管理ができます。アカウント作成は無料です。このアカウントは、Etsyで販売するためだけではなく、購入する際にも使用されます。また、自分のプロフィールやプロフィール写真を追加すれば、顧客やEtsyのほかの販売者に自分を知ってもらうことにもつながります。
2.ショップを作成する
ショップを作成するためには、Etsy.com/sellのページへ進み、「さっそく始める」のボタンをクリックします。販売経験があるか等の質問が現れますので、回答するか、「スキップする」ボタンを押しましょう。
3.環境設定をする
ショップの環境設定のページでは、ショップの言語や拠点となる国、通貨を選択します。ショップ言語は後からの変更ができませんが、ショップの表示言語は開店後に追加できます。通貨は商品の値段を設定する通貨ですが、日本から利用する場合、売上金はアメリカドルで送金されます。海外から閲覧している顧客には現地通貨に換算された金額が表示されます。
4.自分のショップ名を決める
4~20文字のショップ名を入力します。ショップ名にはスペースや特殊な文字は使用できませんので注意が必要です。取り扱う製品やスタイルをイメージさせるものなど、顧客がわかりやすいショップ名を決めるとよいでしょう。後で変更することも可能です。
5.商品を追加する
商品の写真や動画、カテゴリー、価格のほか、発送に関する情報などを入力します。ここで入力する内容は大きく分けて以下の6つです。
- 写真(上限数10枚)
- ビデオ
- 商品の詳細
- 在庫と価格
- 発送について
- 返品と交換
画像や動画に関しては、撮影のコツやヒントが記載されているので初めて商品写真を撮影する際にも役立ちます。また商品の情報など入力の仕方が細かく解説されているため、読みながら簡単に入力作業が進められます。
この段階で全ての情報を入力する必要はありませんが、ここで入力したアイテムはショップがオープンすると同時に購入可能になる商品です。そのため画像や商品の詳細、在庫と価格、発送についてなど必須の入力項目があります。ここで入力した情報は後で編集することも可能です。
6.入金設定をする
入金を受け取るためには、入金方法ページから銀行口座をEtsyショップに紐づけしなければなりません。日本在住の販売者の場合、資金移動サービスのPayoneer(ペイオニア)にまず登録します。「Payoneerに接続」を選択して、Etsyでの売上金がPayoneerの支払い口座に入金されるように設定します。Payoneerに入金されたお金は、自分の銀行口座へ移動させたり、ほかの取引に利用したりできます。
7.二段階認証を有効にする
セキュリティを高めるために、二段階認証を設定します。初めて使用するブラウザやスマートフォンからログインすると、アカウントへアクセスするために必要な認証コードが送信される仕組みです。認証コードは以下の3つの方法で受け取ることができます。
- AndroidまたはiOS端末で使用できる二段階認証アプリ
- ショートメッセージ(SMS)
- 電話での通話
この設定の完了後、「Etsyショップを開店」を選択しましょう。
8.ショップのデザインを設定する
バナーやショップロゴ、ショップからのお知らせなどを設定します。ショップ訪問者の印象に残りやすいよう、ショップが取り扱う商品やショップの特徴がひと目でわかるような画像をバナーに使用するとよいでしょう。バナーに商品写真のコラージュを用いると、どのような商品を扱っているのかわかりやすくなります。またショップ詳細にビデオや写真をアップロードし、ショップ経歴やビジョンを記載することも推奨されています。
9.販売したい商品をショップに追加する
販売したい商品をEtsyのショップに追加しましょう。手順は5.商品を追加する、と同じです。
10.支払い方法を設定する(Etsy Paymentsの設定)
Etsyペイメントは、購入者に複数の支払いオプションを提供することができる、Etsyの公式支払いプラットフォームです。これを設定するだけで、購入者はクレジットカードやApple Payなどを利用することができます。
「支払い設定」の支払い方法の選択肢からEtsyペイメントを選び、指示の通り銀行口座情報や本人確認書類を提出するだけで、設定は完了します。
11.Etsyマーケティングツールを行う
Etsy上の検索でショップや商品が表示されるよう、タイトルやタグが正しく入力されているか、商品のカテゴリーは正確かなどを確認します。またSNSアカウントとショップを紐づけして、簡単に商品やショップに関する投稿ができるようにしておきましょう。このほか、クーポンを発行する、Etsyコミュニティやチームに参加して購入者やほかの販売者とコミュニケーションを図ることも可能です。
12.販売をスタートする
上記の設定が完了したら販売を始めることができます。購入希望者と直接やり取りを行うため、メッセージには迅速に返信する、購入者には次回以降使えるクーポンを作成するなど顧客満足度向上に努めることで、リピーター獲得にもつながります。
Etsyの日本での評判
Etsyは、日本の消費者からは日本国内外のアーティストから商品を購入できるマーケットプレイスとして知られています。Etsyペイメント対象外だった日本では、一時新しいショップの開設ができませんでしたが、2023年末から日本でもEtsyペイメントが利用できるようになりました。それに伴い、すでにハンドメイド商品を販売している人のほかにも、海外に向けて商品を販売する越境ECを始めたいクリエイターやアーティストからも着目されています。また、これからスマホで副業を始めたい人からも気軽に出品できるマーケットプレイスとして認知されています。
Etsyは、アカウントを安全に保つために二段階認証を導入しており、30日ごと、また新しい端末やいつもと異なるブラウザを利用する際に認証コードが必要です。二段階認証を行うことで不正なログインやアカウントの乗っ取りを防げます。ログイン履歴は最新10件まで閲覧可能です。さらに、Etsyには販売者向けの購入保護プログラムがあります。万が一商品が破損して届いたり、届け先で荷物を受け取ってもらえなかったり、紛失したりした場合、購入保護の対象要件を満たしていればEtsyが注文者へ返金を行い、販売者の利益を保持できます。
まとめ
Etsyは、初期費用を抑えてハンドメイドアクセサリーや手作りの商品を売りたい人にぴったりのマーケットプレイスです。これから副業としてECサイトを立ち上げたいという人や、今ある事業のターゲットを海外にも拡大したいと考えている人はEtsyを利用してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Etsyペイメントは日本ではいつから使えるようになる?
Etsyペイメントは2023年末から日本でも使えるようになっています。
Etsyの読み方は?
Etsyの読み方はエッツィーです。
Etsyペイメントとは?
Etsyペイメント(Etsy Payments)は、購入者に複数の支払いオプションを提供することができる、Etsyの公式支払いプラットフォームです。これを設定するだけで、購入者はクレジットカードやApple Pay、Google Payの他、購入者の国で使われているローカル支払いオプションを支払い方法として選択することができるようになります。
Etsyは安全?
Etsyは安全に販売できます。世界で180万人の販売者に利用されているプラットフォームで、Etsyのセラー(販売者)向け購入保護プログラムも設けられています。
日本からEtsyに出品する方法は?
日本からEtsyに出品するには、まずアカウントを作成し、ショップの環境設定や
商品の追加、入金設定や二段階認証有効化などを行います。入金設定ではPayoneerに登録し、Etsyでの売上金がPayoneerno支払い口座に入金されるように設定する必要があります。