専用の端末を持っていなくてもタッチ決済で支払いを受け付けることができるTap to Pay(タップ・トゥ・ペイ)が注目を集めています。
しかし、「そもそもTap to Payってどういうもの?」という人も多いはず。
そこで、本記事ではTap to Pay決済の基礎知識や使い方、導入のメリットなどを解説します。
目次
- Tap to Payとは?
- Tap to Pay導入のメリット
- Tap to Payが使用できる端末は?
- Tap to Payが使えるタッチ決済の種類
- Tap to Payを使った支払いの受け付け方
- Tap to Pay決済使用時の注意点
- ShopifyはAppleの「Tap to Pay」にも対応
- まとめ
- Tap to Payに関してよくある質問
Tap to Payとは?
Tap to Payとは、スマートフォンを使って決済を受け付ける方法のことで、専用の端末を必要としない支払い方法です。スマートフォンを使って決済が受け付けられるため、その導入の手軽さが注目を集めています。
通常、店頭で支払いを受けるには専用の端末を準備する必要があり、その端末にタッチ決済対応のクレジットカードやスマホをかざしてもらうことで決済ができます。しかし、Tap to Payなら自分のスマートフォンが決済用の端末となり、専用の機器を導入する必要がなくなります。お店側のスマートフォンに購入希望商品の支払金額を入力または商品を読み取ることでTap to Payに金額を表示させ、タッチ決済が可能なカードやスマホをお店側のスマートフォンの読み取り面にかざしてもらうことで支払いが完了します。
Tap to Payは2022年後半にアメリカの加盟店が導入を開始し、2024年4月からは、アメリカ、オーストラリア、イギリス、アイルランド、スペイン、フランスで導入が開始されています。日本国内でも2024年9月6日より利用可能です。
Tap to Pay導入のメリット
端末の導入費用がかからない
専用端末を導入する必要がないため、端末のレンタルや購入費用がかかりません。スマートフォンが決済端末として機能するため、端末を置くスペース等も不要です。
タッチ決済と同じメリットがある
Tap to Payは、以下のような通常のタッチ決済と同じメリットがあります。
- かざすだけなので顧客を待たせず決済できる
- 人との接触を抑えて衛生的に支払える
- カード番号や暗証番号のやり取りがないため、顧客は安心して支払える
支払い手続きが煩雑な場合や、支払い方法に顧客が不安を感じてしまうと購買意欲減退にもつながります。そのため、安心かつスムーズな決済方法を提供することが重要です。
Tap to Payが使用できる端末は?
Tap to Payは、以下の端末で使用できます。
iPhone:バージョンiOS15.4以上、iPhone XS以降
iPhone以外の端末:バージョンAndroid 9以降、NFCチップ搭載のもの
Tap to Payが発表された当初はiPhone同士でのタッチ決済が可能になり話題となりましが、現在はiPhone以外のスマートフォンでもAndroid 9以上のバージョンで、NFCチップが搭載されていれば使用できます。
Tap to Payが使えるタッチ決済の種類
- クレジットカード
- デビットカード
- スマホアプリ
- QRコード決済
クレジットカード
タッチ決済に対応したクレジットカードには、VisaやMastercard、JCB、American Expressなどがあります。リップルマークといわれる波のような形をした「タッチ決済対応マーク」がついているカードであればタッチ決済が可能です。電子マネーとは異なり、クレジットカードのタッチ決済は海外でも利用できます。
デビットカード
デビットカードは、使った金額がその場で銀行口座から引き落とされるカードです。口座に残高がないと使えないため、使いすぎを防げるというメリットがあります。
デビットカードもクレジットカード同様、タッチ決済に対応しているカードにはリップルマークがついています。
スマホアプリ
Tap to Payはスマホアプリのタッチ決済にも対応しています。iPhoneの「Apple Pay」やAndroidの「Google Pay™」では、自分のiPhoneやAndroid端末にクレジットカードや電子マネーを登録することで、スマホでタッチ決済が可能です。
QRコード決済
PayPayの加盟店審査を通過すれば、QRコードでの決済も受け付けられます。審査が通れば、Tap to Payを導入したスマホにPayPayで支払うためのQRコードを表示させることができます。購入者はQRコードをスマホで読み込み、支払い手続きを行います。
Tap to Payを使った支払いの受け付け方
Tap to Payの導入手続きはシンプルです。専用アプリをダウンロードする際にアカウントを作成する必要がありますが、専用端末を購入したり、契約料金を支払ったりということはありません。
ShopifyのストアでiPhoneのTap to Payでの決済を受け付ける場合、1か月あたり最大100件の取引を追加料金なしで受け付けできます。その後は決済ごとに0.25米ドルの手数料がかかります。 Squareの場合は基本料金等はなく、決済ごとに3.25%の決済手数料がかかります。
Tap to Pay決済使用時の注意点
Tap to Payで決済を受け付ける際は、以下の点に注意しましょう。
Tap to Pay決済には利用上限がある
Tap to Pay決済は、一度に決済できる金額に上限が設けられています。これは、高額な買い物にTap to Pay決済が不正利用されるのを防ぐためで、たとえば1回の決済で1万5千円までなどの制限があります。上限金額を超える支払いを受ける場合は、暗証番号やサインが必要となりますので、その旨を購入者にも説明しましょう。
iPhoneとAndroidでは受け付けられる国際ブランドが異なる
Tap to Pay on iPhoneとAndroidでは受け付けられる国際ブランドが異なります。iPhoneの場合はVisa、Mastercard、American ExpressそしてDiscoverのタッチ決済が使えます。SquareのTap to Payの場合、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners ClubそしてDiscoverのタッチ決済に対応しています。
使用するTap to Payの種類によって対応している国際ブランドが異なるため、顧客が持っているカードが利用可能かどうかを正しく案内できるよう、事前に決済可能なカードを確認しましょう。
Tap to Payで支払う場合はレシートが出ない
スマートフォンで決済を済ませるため、レシートが発行されません。しかし、レシートを希望する顧客向けに、メールやSMSで電子レシートを発行する、または利用するTap to Payサービスが提供しているレシート用プリンターを購入するといった対策が可能です。
ShopifyはAppleの「Tap to Pay」にも対応
Shopifyは、オンラインストアを簡単に開設できるプラットフォームであり、すべてのプランで「Tap to Pay」に対応したアプリ「Shopify POS」を利用できます。
「Tap to Pay」は現時点では日本のストアに対応しておらず、アメリカのストアでのみ利用可能ですが、アメリカでビジネス展開をしている、またはこれからする予定のある人には有用な機能といえるでしょう。
まとめ
タッチ決済は、スピーディーな決済処理や接触を避けた衛生的な支払いが可能であることから、近年注目を集めています。これまで、タッチ決済の導入には専用の端末が必要であり、設備を整えるのに費用がかかることが課題でした。しかし、2022年2月にAppleが発表した「Tap to Pay」機能により、iPhoneを利用してタッチ決済を行えるようになり、導入がより手軽になりました。
日本国内のストアでは、SquareによるTap to Pay on Androidがスタートしています。タッチ決済を導入していない場合には、Tap to Payの導入を検討してみるのも良いかもしれません。
Tap to Payに関してよくある質問
Tap to Payとは?
Tap to Payとは、スマートフォンを使って決済を受け付ける方法です。専用の端末を購入またはレンタルする必要がなく、Tap to Payを導入したスマートフォンにタッチ決済ができるクレジットカードやスマートフォンをかざしてもらうことで決済できます。
Tap to Payが日本でも使えるようになったのはいつから?
Tap to Pay on Androidは2024年9月から使用可能になりました。