新規事業を始めるときや、集客に困っているときに必要になるのが「広告」です。しかし、広告を導入するには費用が多くかかる場合があります。
そこで、この記事では「無料で広告を出す方法」や「無料広告の注意点」などを紹介します。「集客のために広告を出したいけど、できるだけお金をかけたくない」という方は、ぜひ参考にしてください。
無料広告とは?
無料広告とは、製作費用や宣伝費用、管理費用などの料金が発生しない広告です。
無料広告には、完全無料と一部無料の2種類があります。
- 完全無料広告:広告の制作から集客まですべての費用がかかりません。
完全無料の広告媒体は、InstagramやFacebookなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、ブログなどがあり、どの業種でも取り入れやすい無料の集客方法の一つです。
- 一部無料広告:広告へのアクセス分析やユーザーに見られやすい場所に広告を出すなどの有料オプションが用意されています。また、出している広告経由で集客が発生した際に、成果報酬の手数料を支払う「成果報酬型」の場合もあります。
一部無料の広告媒体は、話題のニュースや生活に必要な情報などを発信している総合ポータルサイトや一つの分野に特化した専門型ポータルサイト、新聞など幅広くあります。
無料で広告を載せられる無料集客サイト5選
- Googleビジネスプロフィール
- Googleショッピング
- Yahoo!プレイス
- エキテン
- Cポン
1.Googleビジネスプロフィール
Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)とは、検索エンジンのGoogleや地図検索ができるGoogleマップで検索したときに、店舗情報を伝えられる無料の店舗情報管理サービスです。
Googleビジネスプロフィールの登録・作成は無料でできます。
【Googleビジネスプロフィールで無料掲載できる項目の例】
- 店舗情報(店舗名・住所・営業時間・電話番号など)
- 写真やメニュー、イベント情報
- 口コミ
- 利用平均額
- URL
- 衛生・安全対策
- 購入方法やオプション
- 見積もりのリクエスト
- 予約機能
- ビジネスの特色(例:女性経営者)
- ダイレクトメッセージ機能
- よくある質問への回答
Googleビジネスプロフィールに向いているビジネスは幅広く、自宅を拠点として実店舗を持たない個人事業主の方でも住所非公開で利用できます。
また、無料で分析機能を利用できるのもGoogleビジネスプロフィールの魅力です。たとえば、ユーザーが検索したキーワードや、プロフィールにアクセスしたユーザーの数、通話ボタンのクリック数などの分析情報を確認できます。
2.Googleショッピング
Googleショッピングでは、検索キーワードに関連する商品を無料で「Googleショッピングタブ」に表示し、ユーザーに見つけてもらいやすくすることができます。
Googleショッピングタブには、「写真・商品名・料金」が一緒に表示された商品を無料で掲載できます。ユーザーが商品をクリックすると、直接オンラインショップへ誘導してくれたり、取り扱っている実店舗の情報を提示してくれたりするため、購入につながりやすくなるのが特徴です。
Googleショッピングで商品を掲載するには、Googleマーチャントセンターへの登録とガイドラインの条件を満たす必要があります。Googleマーチャントセンターの登録には「ビジネス情報(住所やビジネスの名前など)」の入力と「購入できる場所(公式ウェブサイト・Google・店舗)」の選択が必要です。商品の追加は、一つずつ手作業で登録していく方法と、ファイルやスプレッドシートで商品をアップロードする方法があります。また、GoogleマーチャントセンターとリンクできるEコマースショップを利用している場合は、自動的にGoogleショッピングタブへ商品を掲載できるようになります。
Shopifyも、GoogleマーチャントセンターにリンクできるEコマースショップの一つです。ShopifyのGoogleチャネルを利用すれば、Googleショッピングに出したい商品を簡単に同期できるようになります。
このように、Googleショッピングは、すでにオンライン販売をしている小売事業者にとって魅力的なサービスです。
3.Yahoo!プレイス
Yahoo!プレイスは、Googleビジネスプロフィールと同じような無料の店舗情報管理サービスです。検索エンジンの「Yahoo!検索」や地図検索ができる「Yahoo!マップ」、地域情報サービスの「Yahoo!ロコ」で検索したユーザーに、店舗情報を効率的に伝えられます。
【Yahoo!プレイスで無料掲載できる項目の例】
- 店舗情報(店舗名・住所・営業時間・電話番号など)
- 写真やメニュー、イベント情報
- 口コミ
- 購入方法やこだわり条件
- 特徴
- PayPay支払いに対応しているか
- LINE公式アカウントへの誘導ボタン
- ネット予約機能
また、無料でアクセス分析機能も利用できます。アクセス分析機能では、「ユーザーの性別や年代」、「ユーザーがどのように対象ページを見つけたか」、「ページへのアクセス数・電話問い合わせ数」などが確認できます。
しかし、Yahoo!プレイスは、実店舗や施設がない場合は利用できないので注意が必要です。
日本におけるスマートフォンでのGoogle利用率は「75.2%」で、Yahoo!の利用率は「24.2%」です。幅広く集客を狙いたい場合は、Googleビジネスプロフィールと一緒に利用すると、より多くのユーザーにアプローチでき、無料でも効率的に集客できるでしょう。
4.エキテン
エキテンとは、月間約790万人以上に利用されている日本最大級の無料宣伝サイトです。250種以上の業種に対応しているので、さまざまな業種で利用できます。また、実店舗に来客してもらうビジネス以外にも、ハウスクリーニングや不用品回収などの訪問型ビジネスでもネットを使っての集客が可能です。
エキテンは「初期費用・月額費用・成果課金」すべて無料で、店舗情報も多く掲載できるため、ホームページ代わりにも活用できます。
【エキテンで無料掲載できる項目の例】
- 店舗情報(店舗名・住所・営業時間・電話番号など)
- ジャンル
- 写真やメニュー、イベント情報
- 決済方法の詳細
- 口コミ
- スタッフ紹介
- クーポン
ただし、ネット予約機能の追加など、より充実した内容にしたい場合などは有料プランの契約が必要になります。
5.Cポン
Cポンとは、2020年5月からスタートした集客をサポートする決済サービスです。「初期設置費用」「定額利用料金」「広告宣伝費用」が無料のため、低リスクで広告を出せます。
手数料が発生するタイミングは、ユーザーがCポンを利用して決済したときだけです。成果報酬の手数料は合計30%となっています。
【手数料の内訳】
- ユーザー割引額の20%
- 成果報酬手数料10%
しかし、「Cポンバリュー」という企業同士がCポンで取引できるサービスを利用し、提携業者からの仕入れや店舗備品の購入などにCポンを利用すれば、手数料は差し引かれません。
他にも、Cポンでは「無料でオンラインショップの開設」ができたり、「新規顧客とリピーターの両方を狙えるシステム」が構築されていたりします。
- 無料でオンラインショップの開設:ネットショッピングの「Cポンモール」に無料でショップ開設できる
- 新規顧客とリピーターの両方を狙えるシステム:ユーザーはいつでも20%お得に利用できる
このように、固定費が発生せず、リスクが低いため、単価の低い業種でも取り入れやすい無料集客サービスです。Cポンの加盟店は、飲食店やサロン、ホテル、クリニックなどが登録しており、幅広い業種の方におすすめです。
無料で広告を載せる際に気をつけたいポイント
無料で広告を載せる際に気をつけたいポイントは3つあります。
- 無料掲載期間終了後に自動で有料契約に移行される
- 無料で掲載できる範囲が決まっている
- 成果報酬型の手数料が高い
無料掲載に期間が決められている広告サイトの場合、自動更新で高額な契約料金を請求されるケースもあります。特に、求人サイトで多く発生しているので、契約書は小さい文字まできちんと読むようにしましょう。
知らない会社から無料掲載の営業を受けたときは、会社概要や口コミなどを調べると安心です。厚生労働省委託事業である「求人情報提供ガイドライン適合メディア宣言」に掲載されている企業からの無料掲載依頼なら安全度は高いでしょう。
また、無料で掲載できるのはお店の情報だけで、口コミ機能やアクセス解析などは有料になり、無料の範囲が決められている場合もあります。
無料広告に何を掲載したいのか目的を明確にしておくと、広告項目の選択がやりやすくなります。
成果報酬型広告は、初期費用や掲載費用が無料で、成約や来店・サービスの利用などが発生したときに手数料を支払うシステムです。
コストが抑えられる点が魅力的な成果報酬型広告ですが、成果報酬の手数料が高い場合、売り上げが立っても利益が少なくなる可能性が高くなります。そのため、手数料の許容範囲をきちんと判断する必要があるでしょう。
無料広告サイトの選び方
無料広告サイトを選ぶ際のポイントを紹介します。
広告サイトが検索上位に表示されているか
ユーザーは検索上位に表示されるサイトをチェックする傾向にあります。なぜなら、上位サイトには、ユーザーが求めている情報が載っている可能性が高いからです。そのため、販売する商品に関するキーワードで検索したときに検索上位に表示されている無料広告サイトを選び、効率よく集客していきましょう。
口コミ掲載や情報の更新が頻繁にされているか
エキテンやCポンのようなサービスを利用する際、情報更新が頻繁におこなわれているサイトを選ぶことも大切です。なぜなら、ユーザーが商品を購入する際、口コミの内容や店舗情報も踏まえて購入を決める傾向にあるからです。そういった情報の更新が頻繁におこなわれているサイトは信頼度も高くなり、より購買につながりやすくなります。
逆に、口コミ情報が古かったり少なかったりするサイトでは購入意欲の低下につながることも考えられます。また、店舗情報が古い場合や間違いがある場合などは、ユーザーからの信頼度が下がってしまい集客につながりません。そのため、口コミ掲載と店舗情報の更新頻度は無料広告を出す際に確認するようにしましょう。GoogleビジネスプロフィールとYahoo!プレイスに掲載している情報は自分で最新のものに更新したり内容を確認したりする必要があるので注意してください。
集客目的に合っている無料広告サイトか
無料広告サイトも幅広い業種に対応している場合と、飲食店や求人など特定の業種に特化している場合があります。そのため、集客目的に合っている無料広告サイトを選ぶようにしましょう。
必要な機能が無料で利用できるか
エキテンのような基本情報の掲載は無料だが、予約機能は有料になるなど一部だけ無料の広告サイトを選ぶ場合、ダイレクトメッセージ機能やネット予約機能などの利用したい機能が無料で使えるか事前に確認することも大切です。なぜなら、広告サイトによっては、同じ機能でも無料と有料の場合に分かれるからです。このように、必要な機能が無料で利用できる広告サイトか確認するようにしましょう。
まとめ
無料集客サイトのなかには、店舗名や住所、電話番号などの基本情報・口コミ・写真など一部の掲載だけ無料のサイトもありますが、ホームページの代わりに利用できたり、Googleショッピングのようにユーザーが多い場合は一部無料でも十分な集客を見込めたりするので、効率的に集客ができます。
一方、広告サイト自体が検索上位に表示されなかったり、情報更新が頻繁におこなわれていなかったりすると、せっかく広告を出しても効果が得られません。
効果的な無料広告サイトや自分のビジネスに合った無料広告を選んで、集客を伸ばしていきましょう。
よくある質問
無料広告とは?
無料広告とは、製作費用や宣伝費用、管理費用などの料金が発生しない広告です。
無料で広告が掲載できるサイトはなぜ無料?
- 無料プランだけでなく、有料プランやオプションがあるから
- ユーザーのアクセス数を利用して、広告クリック収入や広告目的の特集ページなど別の方法で収益を得ているから
- 掲載とは別にサイト内に広告枠を設定していて、そこから収入を得ているから
文:Momo Hidaka