ウェブサイトを自分の言語から外国語に翻訳するのは、決して簡単な事ではありません。一文字ずつ直訳するだけでは、大事なニュアンスなどが失われてしまい、読みづらい文章になってしまいます。
翻訳の自動化はとても難しく、ネットの翻訳ツールはうまく使わないと間違いをしてしまう事があります。試しに、「面白い誤訳」と調べてみてください。世界中のおかしい翻訳がたくさん出てきます。
このような誤訳は見る側としては面白いですが、自分のネットショップには載せたくないですよね。
自分のWebページを翻訳した方がいい理由(データあり)
ウェブサイトを違う言語に翻訳すると、他国からアクセスしやすくなるため、あなたのEC事業が広がります。言語の壁を破れば、世界デビューに近づく事ができます。
これがどのようにビジネスをブーストしてくれるかを見てみましょう。
W3Techsによると、世界のウェブサイトの54.5%は英語、6.7%はロシア語、5.3%はドイツ語、4.8%はスペイン語で書かれています。
しかし、英語を母国語としているネットユーザーはわずか25.2%です。二番目に多いのは中国語の19.3%です。それでも、W3Techs は中国語で書かれているのは全体のウェブサイトの数の1.6%だと報じています。
こちらは、ネットで使われている言語をグラフィック化したものです。
明らかになにかおかしいですよね
欧州委員会はCSA Research 社と共にEUの23カ国で使われている言語について調査を行いました。興味深い結果がいくつかあります。
- ネットユーザーの9割は母国語で書いてあるサイトを必ず選ぶ。
- 回答者の2割は自分の母国語以外のサイトは絶対見ない。
- 42%の回答者は自分の母国語で書かれていないサイトからは商品を購入しない。
さらに、Harvard Business Review によると、消費者の72.4%は「母国語で商品説明が書いてある方が書いたくなる」と答えました。その上、先ほどの欧州委員会の調査では消費者の56%以上は「母国語で商品についての説明が読めるのは商品の値段より大事だ」と考えていることがわかりました。
Internet World Stats では、過去19年で中国語を使うユーザーの数は2,572.3%、スペイン語は1,425.8%、アラビア語は8,917.3%、ロシア語は3,434.0%増加したという情報が公開されています。
この情報を見ると、世界人口の2割しか英語が話せないことや、世界人口のわずか5%が英語を母国語としているというBabelのデータはとても意外ですよね。これらから推測できることがあります。それは、「ネットユーザーのほとんどはインターネットのごく一部しか見ていなくて、世界のECマーケットの多くは無視されている」ということです。
翻訳をする5つの方法
現在はネットショップを翻訳する予定がなくても、将来的には頭に入れておいたほうがいいかもしれません。同業者が誰もサイトを翻訳してない場合は、外国語サイトを作って世界に範囲を広げる事があなたのビジネスが国際的な巨大企業になるための第一歩になるかもしれません。
しかし、翻訳先の言語を話せない場合は、翻訳するとなっても不可能に近いでしょう。そこで使える便利なツールをいくつか紹介します。
Google 翻訳
簡単に使える無料翻訳ツールの代表ですね。サイトを翻訳したい場合、使い方は2つあります。
まずは、サイトを丸ごと翻訳してしまう方法です。翻訳したいサイトのURLを左側に入れて見ましょう。
翻訳されたサイトへのリンクが右側に出てきます。これは、翻訳されたサイトがどんな感じになるか試しに見てみたい時に便利です。Shopify の英語版サイトを日本語に翻訳してみました。
写真の中の文章などは翻訳されていませんね。Google 翻訳は写真の中の文字や、“Instagram” や “Snapchat” などの翻訳がない言葉には対応していません。
もうひとつの方法は、翻訳したい部分を一つずつコピペしてGoogle 翻訳に入れる方法です。
機械を使って翻訳する時は常に気をつけましょう。Google 翻訳は基本的には正確ですが、言語によって違うニュアンスなどは失われてしまう事が多いです。
Shopify用のツール、LangShop
Shopify ユーザー限定のアプリLangShopなら、簡単にサイトを翻訳できます。これはShopifyのために開発されたアプリで、サイトを見ている人の場所によって自動でサイトを翻訳してくれます。
お客様側がご希望の言語を選べるようにカスタマイズする事もできます。
Shopify ユーザーなら月額$34 でLangShopを使い、事業をグローバル化できます。
Bablic
Bablicはサイトを翻訳する方法を何個か提供してくれます。ボットに翻訳させたり、自分で翻訳したり、誰かに翻訳してもらう事もできます。
翻訳が完了すると、新しいサイトをエディタで編集し、数分で完成です。選択したプランによっては、翻訳したサイトに30ヶ国語を載せる事ができます。翻訳元のサイトを編集すると、Bablic は自動的に翻訳版をアップデートしてくれます。翻訳するだけでなく、海外用のSEO対策などもしてくれます。
月額$24から利用可能ですが、1ヶ国語分は無料でトライアルできます。体験版では人に翻訳してもらうオプションは利用できませんが、どれだけ使いやすいかご自身で経験してみてはいかがでしょうか。
Pairaphrase
このサービスは、「翻訳管理システム」と呼ばれています。正確な翻訳はしてくれますが、Bablicのようにサイトという形で管理してくれません。Pairaphraseは、サイトをまずボットに翻訳させてから、専門家がそれをチェックしながら編集するという仕組みです。
最初の段階がボットによるものなので、数分で翻訳が帰ってきます。Pairaphraseはスプレッドシート、プレゼンテーション、PDF、画像といった幅広いコンテンツに対応しています。アップロードされたコンテンツは二段階認証やSSLサーバ証明書によって守られています。
このサービスはスピード、精度、SEO対策といったあらゆる面で優れていますが、月額$125と比較的高いです。
プロの翻訳者に頼む
ボットに頼みたくない、ネットのサービスを使いたくないという方にはこのオプションがおすすめです。人間なら、言葉の分かりづらい意味合い、俗語、変わったフレーズなどのコンピューターには理解できない事もしっかり翻訳することができます。
これにより、誰かがサイトを見た時に文法がおかしいと感じたり、何が書いてあるのか分からないという状況がないことをほぼ保証できます。ただし、専門的な言葉などの翻訳を知らない場合があるので、翻訳者があなたが作っているコンテンツの分野での経験があることを確認しましょう。
Smartlingは、あなたのコンテンツを翻訳できるプロを何人も用意しています。150ヶ国語以上に対応していて、基本的にどんなプロジェクトでも熟しています。
他にも、ネットには翻訳者が沢山います。色々調べるとあなたに一番合ったサービスが見つけられるはずです。
機械 vs 人間
やはり、プロが翻訳した文章の正確度は否めません。しかし、掛かってしまうコストの価値はあるのでしょうか?Unbabelは絶対に価値があると思ってるみたいです。Unbabelは、Pairaphraseのように、ボットに通訳させたものを専門家がチェックしています。サイト翻訳に関しては、これがスピード的にも精度的にもベストなのかもしれないですね。
機械翻訳は、基本的に過去のデータなどを基に常に進化し続けています。ざっくり説明すると、翻訳ソフトは文章の部分部分を切り抜き、それぞれの翻訳と一緒に記憶しています。何かを翻訳するときは、保存してあるパーツを組み合わせながら答えを出していきます。そのため、どうしても多少の間違えなどが生まれてしまいます。
Unbabel blog の例を見てみましょう。
英語のソースは、「あなたはこの前、著作権に保護されているコンテンツが私たちのサイトで公開されているという連絡をくれましたね。」という文です。
ドイツ語に翻訳すると、「あなたはこの前、著作権に保護されているコンテンツが私たちのサイトで無料で公開されているという連絡をくれましたね。」という意味になってしまっています。問題なのは、英語の「公開されている」がドイツ語で「無料で公開されている」だとソフトの記憶に入ってしまっている事です。
このように、機械による翻訳を完全に信頼してしまうと、誤解や大問題に繋がってしまうかもしれません。
今後の外国語対応の重要性
グローバル化が進むにつれ、サイト翻訳ツールはどんどん進化を続けます。Harvard Business Reviewによると、この3.5兆円以上の業界には26,000個以上の翻訳会社やフリーランス翻訳者がいます。自分のバジェットに合った翻訳者はとても見つけやすく、翻訳を即座にしてもらう事も可能です。
ネットの多言語化が進んでいるとはいえ、多くのユーザーにとって自分の母国語のサイトを見つけるのは未だに難しい事です。スケーラビリティの高いEC事業、SaaS、SEOに関わっている方は特に、これからネットの言語の多様性がどのように広がっていくか注目すべきです。
プロに頼むにしても他のサービスを使うにしても、あなたのニーズに答えるサイト翻訳方法はきっと見つかるはずです。
Shopifyのストアを翻訳するアプリも参考にしてください。
原文:Ashly Winchester 翻訳:Luke Matthew
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よくある質問
自社のウェブサイトを翻訳したほうがいい理由は?
- ネットユーザーの9割は母国語で書いてあるサイトを必ず選ぶ。
- 回答者の2割は自分の母国語以外のサイトは絶対見ない。
- 42%の回答者は自分の母国語で書かれていないサイトからは商品を購入しない。
ウェブサイトを違う言語に翻訳すると、他国からアクセスしやすくなるため、あなたのEC事業が広がります。言語の壁を破れば、世界デビューに近づく事ができます。
世界のウェブサイトで多く使われている言語は?
Shopifyストアを翻訳することはできますか?
買い物をするユーザーが希望の言語を選べるようにカスタマイズする事も可能です。