本シリーズの最初の2つの記事では、アフィリエイトマーケティングを成長させる上で、オーディエンス中心アプローチの重要性が強調されていました。1つめの記事で、あなたのオーディエンス独自のインサイトを特定し、紹介すべき正しい商品やサービスを選択するためにその情報を活用する方法を確認しました。2つめの記事では、アフィリエイトのコンバージョンを成功させるために、あなたのオーディエンスに適したコミュニュケーション方法を見つけるセグメンテーション戦略の策定にフォーカスしました。
今回の記事では、オーディエンスとブランドの双方の信頼を同時に築くアフィリエイト広告戦略で長期的なフォロワーシップを生み出す方法を学びます。
ペイドメディアとアフィリエイトマーケティング
そもそもアフィリエイト広告とは、成果報酬型の広告で、広告主はクリックではなく、実際に購入が発生したなど広告主が決めた地点へ到達したときに報酬が発生します。
アフィリエイトはオンラインマーケティングのバックグラウンドをもち、ペイドメディアと同義の実践方法を取りがちです。デジタルマーケティングもペイドメディアもアフィリエイトにとってはツールキットとして重要なスキルですが、多くのアフィリエイターは広告手数料やパフォーマンス指標のようなトランザクション要素に集中しすぎていて、そのせいで重要なビジョンを見失っています。
ペイドメディアの目的は、メッセージを増幅させることです。しかし多くのブランドは、アフィリエイトに直接広告による宣伝を許していません。代わりに、アフィリエイターは広告をウェブサイトやソーシャルメディアなど自分のチャネルにトラフィックを送り込むために使用できます。これは、ブランドとアフィリエイトの双方がペイドメディアを使って同じ商品を宣伝するような衝突を避けるのに役立ちます。たとえば、同じキーワードを入札するようなケースです。
そこで、サードパーティの商品を宣伝するための広告を目的とせずに、アフィリエイターは自分のオーディエンスを構築することに集中したほうがいいのです。こうしたアプローチをとることで、一回限りではない、複数の商品を購入するオーディエンスを形成することができます。ブランド側からすれば、こちらのタイプのパートナーシップのほうが、紹介数だけに過度にフォーカスしたアプローチよりも、高い価値を生み出します。
正しい広告を書くこと
アフィリエイト広告を運用する段になると、ついコンバージョン率やCTA、コピーライティングなどに忙殺されがちになりますが、メッセージの目的(ペイドメディア、無料メディア問わず)は消費者に価値を届けることにある、というのが現実です。
アフィリエイターが不評を買うのは、広告のトランザクション要素にばかり注意を向けてしまっているときです。広告の成功は、量的なパフォーマンスではなく、オーディエンスがメッセージをどのように受け取っているか、あなたが紹介しているブランドを彼らがどう受け止めたか、そしてそれを経験したあとに何をすべきと感じているか、という点にあります。
パフォーマンスマーケティングは、アフィリエイトに付随する性質の1つといえます。しかし業界は進化を続けており、アフィリエイトは高い水準をキープしています。アフィリエイトマーケティングの価値は、トラフィックを生み出し大量の新規顧客を獲得できる能力にあると定義されていましたが、ブランドはいまや紹介の質自体も重視しています。リピート購入をしてくれる長期的なお客さまになる可能性がどれくらいあるか、といった要素が注目されているのです。
アフィリエイトが外部ブランドの広告を扱う場合、そのブランドがオーディエンスにどう位置付けられるべきかを知ることが重要です。このステップを怠ると、広告主は、アフィリエイトのパートナーシップが彼らのブランドの公平性にネガティブな影響を与えているのではないかという疑問を抱くようになるかもしれません。広告主はまた、返品率にも心を砕いています。そのため、アフィリエイターとしてあなたは、返品や解約に行き着く顧客ばかりを誘導している人物だとみなされないようにすることが大切です。
成功についてのこうした新しい定義は、実際のところ良い方向へのシフトをアフィリエイトにもたらしています。アフィリエイターは量ではなく質を高めることにフォーカスできるようになりました。エンゲージメントやコンバージョンに至る可能性の高いオーディエンスを醸成することは、あなたが紹介するブランドにとって質の高い見込み客を生み出すことになるでしょう。長期的に見れば、ただ数字のみにフォーカスした場合と比べて、このような取り組み方のほうが収益性の高い持続可能なビジネスを作り上げられるのです。
広告主に対しての価値向上を実現しながら、オーディエンスを築き上げる方法をマスターするための6つのコツを、ここでご紹介しましょう。
1 あなた個人のブランドアイデンティティを強化する
アフィリエイターであるあなたは、広告主のブランドの営業チームの一員であることを覚えておきましょう。あなたの金銭的な成功は、あなたのオーディエンスがオファーに対してどれだけコンバートしたかに大きく依存します。これはつまり、あなたは広告主ブランドよりもターゲットオーディエンスにものを売るための良い位置を占めなければいけないということです。オーディエンスがあなたに対して強い親近感をもつ必要があります。そうでなければ、広告主はあなたを必要としないでしょう。
ブランド側からすれば、あなたの価値は、ブランドが手を伸ばすことのできないユーザーグループにあなたが働きかけられる能力にあるのです。つまり、オーディエンスのあなたに対する信頼こそが、まさにあなたのポジションをユニークにする要因といえます。
あなた自身の「売りポイント」が何なのかを決めましょう。ある話題に関してはエキスパートなのでしょうか? オーディエンスが抱くビジネスの疑問についてコーチができますか? 刺激を与えられるような人物、もしくはサードパーティ製品のレビュアーでしょうか? オーディエンスに対してあなたが代表するものが何であれ、そのユニークなアイデンティティを際立たせるように活用してください。あなたのビジネスの顔として、あなたを認知してもらいましょう。これはオーディエンスがあなたを信頼することにつながり、そして広告主からは、ターゲットオーディエンスに強力なコネクションを持つ人物として認識されることに役立ちます。
2 読者中心のペイドメディア戦略を策定する
「読者ファースト」なペイドメディア戦略は、従来のメディアが使う「撃ちまくり戦術」よりも、特定のユーザーグループのみをターゲットにするほうが影響が大きいという考えを採用しています。
ペイドメディアはお金がかかります。つまり、長期的に見てあなたのコンテンツをフォローしてくれそうな人々をターゲットにすることは、オーディエンスの増加とあなたの予算のためになるということです。有料広告でリーチすべき相手は正確にだれなのかを知るために、このシリーズのパート1と2で見てきたオーディエンスインサイトと顧客プロファイルに依拠することができます。
3 ターゲティングに集中する
広告運用にあたっての主要目的は、購入者のペルソナにアピールするコンテンツを作成することです。ターゲットオーディエンスのセグメントに向けてリーチすることを楽にするために、FacebookやGoogleといったプラットフォームで可能なカスタマイズオプションを有効活用しましょう。詳細なターゲットオプションにより、広告露出のコントロールと効率的な予算管理が可能となります。Facebookガイドをチェックして、Facebook内で個別のターゲティングを容易にする多様なオーディエンスカスタム機能について学んでください。
Google AdWordsを使うと、検索、動画、テキスト広告などを通じてオーディエンスにリーチでき、広告の設置場所やキーワードによるターゲティングをコントロールできます。Adwordsは、地理的ロケーション、時間帯、年齢、ジェンダー、デバイス等の指標に基づいて広告を調整する柔軟性を与えてくれます。
Adwordsを高度に使いこなすための優れた機能として、カスタムアフィニティオーディエンスがあります。アフィニティオーディエンスにより、あなたが紹介しているのと似たブランドから過去に購入経験のある人、というような特定の業界指標に基づいたターゲットオーディエンスを作成できます。
4 異なるフォーマットとチャネルを試す
広告を出すのにベストなチャネルは、オーディエンスがもっとも熱心に見ている場所がどこかによって変わってくるということを頭に入れておきましょう。とくに、あなたのターゲット顧客が、カスタマージャーニー上のどの位置にいるかに注目しましょう。彼らのジャーニー上の適切なタイミングで適切なメッセージを作成することが、持続的な成功につながります。
スポンサード記事や、おすすめコンテンツ、Facebook Messengerのコンテキスト広告など、オーガニックコンテンツと競合するさまざまなフォーマットのテストをおこないましょう。それぞれのタイプの広告は、強力にパーソナライズされた体験をターゲットオーディエンスにもたらす能力を持ちます。
5 ネイティブ広告
ネイティブ広告は、ペイドメディアの形式の1つで、オーガニックコンテンツのような働きをします。従来の広告というものは騒々しく目立ちたがるものでしたが、ネイティブ広告はごく自然な見た目やフィーリングを持っています。これは従来の広告よりも優れたユーザーエクスペリエンスをもたらすだけではなく、Sharethroughによると、ネイティブ広告は購買意欲を18%高めます。
コンテキストリンクやバナーのような形式で、ネイティブ広告は自然なコンテンツの一部のように感じられます。あなたはネイティブ広告を、ソーシャルメディアやYouTube、メールマガジンなど、あらゆる種類のマーケティングチャネルで使用することができます。こちらのすばらしいネイティブ広告が実践されている例をチェックしてみてください。
6 ゲート付きコンテンツで長期戦を目指す
ゲート(フォーム)付きのコンテンツは、熱心で長期的なフォロワーを生み出すにはすばらしい方法です。ペイドメディアを使うと、ゲート付きコンテンツの効果を増幅でき、あなたのコアユーザーセグメントと同じ特徴を示す有料オーディエンスをターゲットとすることができます。
フリーコンテンツの配布のために、行動を促すCTAを使い、ユーザーがもっと深いレベルであなたとつながれるようにします。限定的なコンテンツにアクセスするために、メールリスト登録やSNSフォローを促しましょう。ガイド、eブック、ビデオトレーニング、テンプレート、ミニコースなどは優れたバリューを提供し、オーディエンスを構築します。また、彼らと長期的な関係を築くことで、将来的な利益を得ることにつながります。
ゲート付きコンテンツへの投資はすぐに見返りが得られるようなもではありませんが、異なる商品を繰り返し購入してくれるオーディエンスを構築する点において、投資の効果は深いところに到達します。ペイドメディアを使ってフォロワーを集めることは、商品を販売するたびに広告を毎回打つのと比べると、持続的なソリューションです。
直感に反するように聞こえるかもしれませんが、有名起業家Gary Vaynerchuk氏は、最良のコンテンツを無料で提供することを推奨しています。価値を無償提供することで、長期的な利益が得られるという哲学に彼は賛同しているのです。
「今後何かをお願いするときに援護を得られるような関係を築くためには」とGaryは言います。「まず先にあなたの方から価値を提供していなければいけません」
フリーコンテンツ戦略を作成してから、それをペイドメディアに活用することで、どのようにしてあなたがオーディエンスにとって影響力のある情報ソースになれるかを考えてみましょう。
オーディエンスと商品
商品を宣伝する広告の作成より、オーディエンスの構築に力を入れましょう。あなたの最大の資産としてそれは残ります。それから、マネタイズのためにオーディエンスが求めているコンテンツを作成し、彼らが価値を見出すであろう商品やサービスをそこで紹介します。広告の費用はすぐに回収できないかもしれません。忠実なフォロワーを獲得することは長期戦になります。熱心なフォロワーは、あなたからのオファーにコンバートしやすくなりますが、それはあなたが紹介する商品が彼らのニーズにぴったり一致しているからです。
ブランドは、ターゲットとするオーディエンスにもっとも近い位置にいる人とパートナーシップを結ぶ機会をつねに探していますので、あなたは自分を影響力のあるソースとしてポジショニングすることに集中してください。ペイドメディア戦略のスキルをオーディエンス構築に活かし、彼らをあなたのアフィリエイトマーケティング戦略の中心に据えましょう。自分が提供できる価値をはっきりと伝えられる場合には、もっとも儲かるブランドとの関係を確保することを忘れないでください。彼らはあなたにマネタイズの機会を提供し、あなたは彼らに顧客を紹介します。これは双方向の関係性であり、両者がともに勝利するのは、あなたがオーディエンスと強い絆を結んだときです。
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