ECサイトを作るには、プログラミングの知識や複雑な手順が必要だと思って尻込みしていませんか?ECサイト作成にはさまざまな方法があり、個人や初心者でも費用を抑えて開設できます。
ここでは初心者におすすめのECサイトの作り方を徹底解説します。
目次
ECサイト構築の手順
自社ECサイトを作成する方法はいくつかありますが、ここでは初心者におすすめなASPを利用した方法を紹介します。
ASPはECサイト運営会社からサーバーを借りてネットショップを構築する方法で、特別な知識や技術を必要とせず、低コストで素早くECサイトを構築することができます。運営会社がセキュリティ面をフォローしてくれるので、安全性が高いのもおすすめのポイントです。
サイトは一度作ったら終わりではなく、キャンペーンに合わせた設定やニーズや市場環境などに応じた変更など柔軟に変える必要があります。そんな時にも、ASPなら自分で簡単かつスピーディに対応できます。
ASPを利用したECサイト構築の一般的な手順は下記のとおりです。
ステップ1.登録する
利用するASPを決めて、登録します。ASPは無料のものから有料のものまでありますが、有料でも月額数千円なので、求める機能やデザイン、使いやすさなどを考慮して選ぶとよいでしょう。
ここで必要となる情報は、メールアドレス、パスワード、ストアの名前とストアURL(英数字)などです。独自ドメインを作るかどうかも事前に検討しておきましょう。
ステップ2.ショップページを作成・カスタマイズする
ECサイト作成では事業やブランドの世界観を表現することも大切なポイントです。自社ECサイトを作る目的の大きな要素にもなっていると思います。
ASPではテンプレートやテーマが用意されているので、好みのものを選んでいくことで、プログラミングなどの知識や技術がなくても簡単にイメージを形にできます。カスタマイズの自由度が高いASPなら、色やフォント、レイアウトなどを変更することも可能です。
プログラミングができなくても魅力的なECサイトを構築できるのがASPの利点ですが、ほんの少しのプログラミングでより理想的なECサイトにカスタマイズできる場合もあります。
ステップ3.販売する商品を追加する
販売する商品を追加します。写真や動画は高画質で商品の特徴がよく伝わる魅力的なものを用意しましょう。商品のタイトルや説明文も商品の魅力が正確に伝わるように書きます。顧客が商品の使用イメージをしやすくなるような写真や文章、購買意欲をかきたてるような工夫があるとよいでしょう。
ステップ4.支払い方法や配送などについて設定する
ASPは支払い方法や配送についても簡単に設定できるようになっています。ターゲット顧客が利用しやすい決済方法を含めていくつかの選択肢を用意しましょう。
ステップ5.ショップの公開準備をする
全体の設定が完了したら、細部のチェックや動作確認など公開の準備を行います。サイトの見やすさ、わかりやすさ、リンクエラーがないかなどをしっかりと確認することが大切です。チェックリストを用意して、ひとつひとつチェックしていくと安心です。
魅力的なサイト画像やキャンペーンなどを用意して、SNSなどで公開のお知らせをするのも良いでしょう。
ステップ6.ショップを公開する
準備が整ったらショップを公開しましょう。新規サイトの場合は最初は訪問数や売り上げの動きがなく不安になるかもしれませんが、焦りは禁物です。
使っていくなかで改善点やアイディアが見つかるかもしれません。軌道修正や改善をしながら、自社ECサイトを育てていきましょう。
ECサイト作成方法の種類
ひとくちにECサイト作成と言っても、その作り方はさまざまです。大きくわけるとAmazonや楽天に代表されるモール型ECサイトと自社ECサイトの2種類があり、自社ECサイトはさらに細分化されます。
自社ECサイトの作り方には5つの種類があります。
フルスクラッチ
ゼロから自社ECサイトを構築する方法です。高度なシステム開発スキルを必要としますが、多くは外部委託になるためプログラミングの知識や技術は求められません。
パッケージ
ソフトウェア開発会社からECサイトの土台となる「パッケージ」を購入し、サイトを構築する方法です。サイト構築に必要な機能は詰まっているためプログラミングの知識や技術は必要ありません。
オープンソース
企業や個人が開発した無料公開のソフトウェアを使ってECサイトを構築する方法です。機能やデザインの調整などが必要になるため、プログラミングの知識や技術が求められます。
ASP(Application Service Provider)
ECサイト運営会社からサーバーを借りてネットショップを構築する方法です。必要な機能があらかじめ提供されているため、プログラミングの知識や技術がなくてもサイト構築できます。専門的な知識がなくてもカスタマイズできるサービスもあります。
クラウドEC
ASPとパッケージの両方の要素を持っている構築方法です。カスタマイズや改修はシステム提供会社で行ってもらうため、プログラミングの知識は必要ありません。
ECサイト作成にかかる費用
ECサイト作成にかかる費用は、利用する作成方法によって大きく変わります。価格は小規模なら無料から数万円、中・大規模なら数十万から数千万が費用相場になっています。
具体的には、中・大規模なものだとフルスクラッチは初期費用だけで数千万円からかかり、月額費用も数十万円かかります。パッケージやクラウドECは初期費用が数百万円で月額費用は数十万円ほどかかります。
小規模なものであれば、オープンソースは無料から数千円、ASPは無料から十万円程の初期費用、月額費用も無料から数千円で作成できます。
初期費用や月額費用のほかに、フルスクラッチやパッケージはシステムが数年で古くなりセキュリティが弱くなるため、メンテナンスや更新費用が発生します。オープンソースやASPは追加機能が有料の場合もあるため、その分の費用も見積もっておく必要があります。
ECサイトを低コストで開設するには
ECサイトを低コストで開設するには、オープンソースかASPを利用します。中には無料で開設できるものもあり、個人やスタートしたばかりのスモールビジネスにおすすめです。
オープンソースは基本的に無料で利用できます。EC-CUBE(イーシーキューブ)やWordPress(ワードプレス)などが有名で、プログラミングなどの知識や技術があれば自由にカスタマイズでき、独自のECサイトを作ることが可能です。プラグインなど追加機能を導入して必要な機能を加えることもできます。
決済方法も必要に応じて追加できるものが多く、オープンソースといえども各社と連携できるようになっています。一方、セキュリティの脆弱性などが指摘される側面もあり、しっかりとした知識や情報のアップデートが求められます。
ASPは有料無料ともに種類が豊富です。
無料のものにはBASE(ベイス)やSTORES(ストアーズ)などがあります。初期費用、月額費用ともに無料でECサイトに必要な機能を利用できることから、個人や販売数が少ない事業に多く利用されています。複数あるデザインテンプレートから選ぶだけでサイト構築できるのでプログラミングも必要なく、スマートフォンからでも操作できます。
サイト構築は無料ですが、売り上げ手数料や決済手数料などが発生します。
有料のASPにはShopify(ショッピファイ)やカラーミーショップなどがあります。月額費用が数千円程度で利用でき、豊富なテンプレートやカスタマイズ性の高さが魅力です。多くの決済方法に対応していてターゲット顧客のニーズに合わせた選択肢を用意することもできます。
ECサイト作成の際のポイント
ECサイト作成の際には、費用以外にもいくつか押さえるべきポイントがあります。
カスタマイズ性
フルスクラッチなど費用が高額なものはその分カスタマイズ性が高く、自社にぴったりなECサイトを作成できますが、クラウドやASPはどの程度までカスタマイズできるのか、そのために追加費用や技術が必要となるのかを確認する必要があるでしょう。
特に無料ASPは費用がかからないぶん選べるテンプレートに制限があることがあり、利用を開始する前に自分がイメージするECサイトが本当に作れるのかをよく確かめることが重要です。
導入できる決済方法の種類
決済方法は売り上げに直結する重要な要素です。クレジットカードやコンビニエンスストアでの支払い、代金引換や銀行振込などに加え、近年増加してきているAmazon PayやApple Payなど外部IDを利用した決済方法にも対応しているか確認しましょう。
顧客が希望する決済方法を選択できることで、購買体験がより満足度の高いものになります。逆に、使いたい決済方法がないと購入せずに離脱してしまう可能性があるため、導入できる決済方法を事前に確認することはとても重要です。
安全性
ECサイト開設時には、安全性を確保することは必要不可欠です。オンラインショッピングで安全性に不安を感じると顧客は一気に離れてしまいます。
フルスクラッチやパッケージは定期的なメンテナンスや更新をすることで安全性を確保できます。オープンソースは自身で脆弱性に対処したり情報収集したりする必要があり、安全性を維持する手間がかかります。クラウドやASPは運営サービスが常に最新のセキュリティ状態を維持してくれるため、高額な維持費用や知識がなくても安心して利用を続けることが可能です。
海外向けの機能があるか
ECサイトを使って海外販売も視野に入れているのであれば、海外向けの機能があるかどうかはしっかりと確認しましょう。
海外発送のサポートがあるか、海外向けの決済手段があるかどうかはもちろん、魅力をしっかりと伝えるためにはターゲットとなる国に合わせた言語でサイトを表示させることも重要です。Google翻訳など手軽に使える機械翻訳もありますが、正確性やサイト全体の翻訳となると使い勝手が良いとは言えません。魅力やメッセージを伝え販売につなげるには、ウェブサイト翻訳アプリの提供や多言語表示が可能なサービスを選ぶとよいでしょう。
まとめ
自社ECサイトを作りたいけれどスモールビジネスでプログラミングなどの知識がない人には、ASPを利用したサイト開設がおすすめです。ASPにも無料や有料など種類があります。各社の特徴や提供するサービスを比較検討して自社にぴったりなECサイトの作り方を選びましょう。
ECサイトの作り方についてよくある質問
ECサイト作成にかかる費用は?
ECサイト作成にかかる費用は、無料から数千万以上まで大きな幅があります。サイト構築にどのような方法があるか知り、自社にあった方法を選ぶことで費用を抑えることができます。
ECサイトは無料でも作れる?
ECサイトは無料でも作ることができます。オープンソースとASPの2種類の方法が無料ですが、プログラミングスキルの有無で使える方法がかわってきます。また、無料の場合は制限や追加費用がかかることもあるため、全体の見通しをたてて構築方法を選ぶことが大切です。
ECサイト作成にかかる期間は?
ECサイトそのものの準備だけであれば、ASPなら最短数時間ほどで作成可能です。しかし、商品ページを作るためには写真の準備や説明文を考える時間も必要となります。他にも決済方法や配送設定など準備が多岐に渡るため、短くても数日から数ヶ月見ておくと良いでしょう。
オープンソースやフルスクラッチなどシステム開発や大規模なプログラミングを行う場合は数ヶ月からと長期間かかることが予想されます。