一日中ゲームの実況プレイをしているだけではストリーマー(ライブ配信者)として成功できません。Twitch(トゥイッチ)のクリエイターたちは起業家として、チャンネル登録者や会員の獲得、熱心なコミュニティの育成、スポンサーやアフィリエイトの管理などを徹底しています。
オリジナルグッズの制作と販売もTwitchのストリーマーにとって重要なビジネスの一つです。Twitch収益化は、ストリーマーや起業家としてのステップアップにつながっています。オリジナルグッズ制作・販売以外にも第三者からの寄付、チャンネルへのサブスクリプション登録、スポンサーとの契約などで収益を得ることもできます。
Twitchでのグッズ販売は、少数のサブスクリプション登録者や視聴者数でも収益化できるため、定番のアフィリエイト収入より難易度が低く、プリントオンデマンドやドロップシッピングに対応しているデザイン制作アプリなどを利用すれば簡単にグッズ販売を始められます。
ここでは、Twitch向けのオリジナルグッズ制作方法と、グッズの販売方法を紹介します。
Twitch向けオリジナルグッズの作り方
デザイン作成のための無料ツールや、プリントオンデマンドのようなサービスを使えば、簡単にオリジナルグッズを制作できます。
オリジナルグッズをデザインする
オリジナルグッズをデザインするときは、ライブ配信やプレイするゲームの雰囲気に合わせたデザインにしましょう。ストリーマー自身がブランドなので、オリジナルグッズからストリーマーがイメージできるようなデザインがおすすめです。どのようなデザインやグッズが良いかわからない場合は、フォロワーに質問してアイディアをもらうのも一つの方法です。
Printfulのようなデザイン作成アプリを利用すれば、デザイン初心者でも簡単にTシャツやスマホケースなどのオリジナルデザイングッズが制作できます。
ほかには、グラフィックデザインツールで人気の高いAdobe Illustrator(アドビ・イラストレーター)やPhotoshop(フォトショップ)、Photoshopと似たような機能が無料で利用できるGIMP(ギンプ)などがおすすめです。
オリジナルブランドの象徴になるロゴ作成ならShopifyの無料ロゴメーカー「Hatchful(ハッチフル)」が利用しやすく、わずか数秒でプロ仕様のロゴが制作できます。ロゴはブランドや商品の認知度を高めたり、ほかのストリーマーのオリジナルグッズと差別化したりするのに有効です。
自身でデザインをするのがむずかしい場合は、プロのデザイナーへ依頼する方法もあります。以下のサイトで簡単にプロのデザイナーを探せます。
プロのデザイナーに依頼するときは、どのようなイメージのデザインを作ってほしいのかはっきり伝えられるように、デザインの詳細を準備しておきましょう。
オリジナルグッズを制作する
初めてオリジナルグッズを制作するときは、プリントオンデマンドサービスの利用がおすすめです。
プリントオンデマンドサービスでは、デザインさえ登録していれば、受注処理から商品発送まですべて代わりにおこなってくれます。注文ごとに商品を制作してくれるため、在庫を抱える心配もありません。ライブ配信やゲームをプレイする時間を削る必要もないため、本業に専念できます。
しかし、顧客に届く商品に問題がないかなどの事前チェックはできないので注意しましょう。
Printfulは、オンデマンド印刷からドロップシッピングまで対応しているため、オリジナルグッズの販売を始めたばかりの方でも利用しやすいサービスです。
また、PrintfulはShopifyとの連携も可能です。PrintfulでデザインしたクッズをShopifyのECサイトに同期し、注文が入るとPrintfulのドロップシッピングの仕組みにより、自動で注文処理が完了します。
名前やオリジナル画像などが追加できる「商品カスタマイズツール」も利用できるので、オリジナルグッズに購入してくれた視聴者の名前を入れたグッズ販売もできます。
Twitch向けのグッズの販売方法
オリジナルグッズの準備ができたら、販売するECサイトの立ち上げや、オリジナルグッズの宣伝方法などを決めていきましょう。
オリジナルグッズ用のECサイトを立ち上げる
オリジナルグッズ制作の見通しが立ったら、販売するECサイトを立ち上げましょう。
ストリーマー向けにグッズ販売のECを提供する会社はいくつかありますが、独自性が打ち出しにくいのが難点です。会社が指定するランディングページやショップのデザインを使用し、商品自体も提供可能なラインアップから選ぶしかないケースがあるからです。
Shopifyなら、ショップの外観や雰囲気を完全にカスタマイズできるので、ストリーマーとしてのイメージやブランディングに合わせたECサイトを開設できます。Shopifyはウェブ制作の知識がない方でも、簡単にECサイトが作れるようにECサイトのテンプレートや決済機能などが用意されていて、SEOやマーケティングツールなども基本機能として提供されています。
このように、オリジナルグッズを販売するECサイトで独自性を表現したい場合は、Shopifyがおすすめです。
オリジナルグッズを着用してライブ配信する
制作したオリジナルグッズを宣伝する最も簡単な方法は、Twitchのライブ配信中にそれらのグッズを身につけることです。オリジナルグッズを着用して、配信するとフォロワーのほうからグッズに関して質問してきてくれるため、自然と商品の宣伝がおこなえます。
また、ほかのストリーマーにオリジナルグッズを着用してもらって、ライブ配信などをお願いする方法もあります。これにより、ほかのストリーマーのフォロワーへ商品宣伝ができ、より多くのユーザーに向けた販売促進が可能です。
プロフィールにECサイトのリンクを掲載する
Twitchでは、ライブ配信や動画の下にある「クリエイターについて」のページにソーシャルリンクの追加ができます。オリジナルグッズを販売するECサイトのURLも貼れるので、忘れずにリンクの追加をしておきましょう。
バナー画像を利用したリンク設定もできるので、ブランディングに合わせた雰囲気のリンク設定が可能です。
自動返信機能を利用する
自動返信機能を利用すれば、視聴者がコメント欄に特定のワードを入力するだけで、あらかじめ設定しておいたECサイトのURL入りメッセージを自動で送信できます。
Twitchでは、NightbotやStreamlabsなどのツールで感嘆符(「!」)を利用したカスタムコマンドを作成することで、自動返信機能を設定できます。
自動返信機能を活用すると、視聴者はストリーマーへの質問する手間や返信の待ち時間を短縮でき、ストリーマーも機会損失を防ぐことができます。
日本のTwitchでオリジナルグッズの販売を成功させている人気ストリーマー
Twichでオリジナルグッズを販売している日本人ストリーマーの事例を紹介します。
らっだぁさん
らっだぁさんは、フォロワー数672,180人で日本人Twitchストリーマートップ3に入る人気のストリーマーです。
アイコンにもしているオリジナルキャラクターのグッズを販売しています。
ラバーストラップやTシャツ、缶バッジ、ステッカーなどの商品が用意されています。過去には、特大サイズのぬいぐるみやクッション、ボールチェーンマスコットなども販売していたようです。
販売中の商品のなかでも、ストラップはお気に入り件数が3,700以上あり、缶バッジやステッカーも3,000件を超えています。
Twitchストリーマーが販売している定番グッズ
オリジナルグッズの商品選定もグッズ販売で成功するための大切なポイントです。ここでは、Twitchストリーマーの定番グッズラインナップを紹介します。
アパレル
Tシャツやパーカー、スウェットなどアパレル商品はストリーマーのオリジナルグッズの定番アイテムです。キャラクターやロゴ、オリジナルデザインなどをプリントし、販売しています。
アパレル商品は着用しながらライブ配信ができるため、商品宣伝もしやすくなります。
アクリル
アクリル商品は、アクリルスタンドやアクリルキーホルダーなどが定番アイテムです。アクリル商品には、キャラクターなどの2次元キャラクターが利用されるケースが多く、ストリーマー本人を採用するケースは少ないです。
キーホルダーなら、バッグなどに付けて外出先でも推し活を楽しめるため、人気アイテムの一つです。
ぬいぐるみ・クッション
持ち運びができる小さいぬいぐるみや、ゲームで疲れた目を癒すアイマスク、リラックスしながらゲームができるネックピローやクッションなども定番グッズです。
小さなぬいぐるみはボールチェーン付きのほうが紛失の可能性が低くいため、採用されているケースが多く、そのほかには自室に飾ったり、推しのぬいぐるみが見えるように透明のビニールバッグに入れて一緒にお出かけを楽しんだりするフォロワーが多いようです。
バッジ
缶バッジも定番グッズの一つで、丸形以外にも四角形やハート形などいろいろな形状の缶バッジが人気です。
バッグ・ポーチ
バッグやポーチは日常使いしやすいシンプルなデザインが人気で、ロゴやストリーマーの決め台詞、キャラクターなどのプリントデザインがあります。
マグカップ
フォロワーにとってマグカップは日常使いしやすく、ゲーム実況動画をみながら利用できます。ストリーマーもライブ配信中に利用しながら自然な商品宣伝が可能です。
キャラクターやロゴ、ストリーマーの決め台詞やメッセージなどをデザインに入れ込むと良いでしょう。
スマホアクセサリー
スマホケースやスマホリング、フォンタブのオリジナルグッズが人気です。手帳型のスマホケースに両面オリジナルデザインを施すことや、スマホリングやフォンタブでさまざまな機種に対応できるグッズを作ることもできます。
ステッカー
オリジナルステッカーは手帳やパソコン、スマホカバーなどいろいろなものに貼り付けられるので、利便性の高いグッズです。
また、1枚あたりの制作費用が数十円で、価格設定によっては利益率が高くなるので、オリジナルグッズのアイテムとしておすすめです。
まとめ
Twitch収益化で大切なことは、多くの視聴者を獲得することではありません。視聴者数やサブスクリプション登録者数が少なくても、熱心なフォロワーに向けてオリジナルグッズを販売すれば、アフィリエイト以外でも収益化できます。
オリジナルグッズのデザインは、Printfulのようなデザイン制作アプリを利用すればデザイン初心者でも簡単に制作できます。また、プリントオンデマンドやドロップシッピングを利用すれば、受注処理から商品発送まで代わりにやってくれるため、今までどおりライブ配信に集中できます。
オリジナルグッズを販売するECサイトの立ち上げは、独自性を表現できるShopifyがおすすめです。競合のストリーマーと差別化するためにも、デザインの自由度が高いEコマースが良いでしょう。
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よくある質問
Twitchとは?
Twitchとは、ライブ配信プラットフォームで、特にゲーム配信に特化しています。音楽やスポーツ、トークショーなどの配信も可能です。
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文:Momo